特許関連


開水路とは・・・
 
水理学的には大気に接する自由水面(水流の上表面が大気に接している状態)をもつた水量を流す水路をいいます。道路の側溝などが代表的なものです。トンネルや暗渠でも満流で流さない場合は、水理学的には開水路に属します。河川や田んぼの端を流れている小さな土の水路もこれらの仲間と言えます。





 写真の北楯頭首工導水路は、東北農政局が「最上川下流農業水利事業」で最上川水系立谷沢川に建設した北楯頭首工取水口から北楯大堰用水路に導水する開水路です。(平成9,10年度当社設計)

 同水路は、計画最大流量がQ=10.8m3/sで、水路幅B≒7.5m、水路延長L≒286mの開水路と水路幅B=17.1m、延長L≒116mの沈砂池から構成されています。

 開水路は、水路周辺の環境に配慮し、側壁に擬石模様の大型積ブロックを採用した修景護岸形式の台形断面水路です。
 沈砂池は、頭首工取水口から流入してくる水量の有害な土砂を沈砂させ排除することを目的とし、沈砂池内の流速をV≒0.2m/s(沈砂粒径0.3mmの掃流限界流速)としています。また、排砂方式と堆砂量の推定から幅B=2.6m×6連の沈砂溝構造となっています。

 国道47号線から左折して県道立川・羽黒山線(山形県)に入り400mくらい走ると車窓左側に見えます。


多自然型河川とは・・・
 河川が本来有している生物の良好な生育環境や美しい自然景観など自然に近い状態を創出しながら河川整備を行おうという考え方の川づくりです。現在、河川の護岸部分において、この考え方を実践しようと多数の製品が提案されています。

左絵は、準用河川谷地堀の多自然型河川の考え方を取り込んだ河川整備計画パース図です。(平成11,12年度当社設計)

 準用河川谷地堀は名取川水系旧笊川の支流で、仙台市郡山地区の市街地を南流している河川です。

 「準用河川谷地堀の整備計画」は、郡山地区の地域の人々を中心にワークショップ「谷地堀川づくりのつどい」をたちあげ、策定しています。
 整備計画では、区間を3つに分け、河川周辺の自然環境を踏まえ、自然景観、いこいの空間、生物生息環境の創出ややすらぎのある市街地修景などの構想のもとに多自然型河川の考え方を取入れた河川の整備を地域の人々といっしょにめざしています。

  
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